この記事でわかること
- ブラックな会社を調べる方法
- 入ってはいけない会社の特徴
- 働きやすい会社の見分け方
働き方改革により、運送会社の労働環境はよくなっていますが、いまだにブラックな会社は多くあります。
入社が決まって、いざ出勤してみると、実はブラックな会社だったりしたら最悪ですよね。
ストレスから病んでしまったり、体を壊して働けない状態になってしまうこともありえます。
結論、ブラックな会社は避けることができます。
対策としては、ブラック企業一覧を確認したり、転職・口コミサイトの利用などが有効です。
ですが、全てのブラック企業がチェックできるわけではありません。
入ってはいけない会社の特徴なども確認して、判断することが大切です。
この記事では、トラック歴15年の経験から、ブラックな運送会社の特徴や注意点などを解説しています。
働きやすい会社の見分け方も紹介してるので、最後まで読んで、就職活動に役立ててくださいね。
入ってはいけない運送会社一覧
入ってはいけない運送会社一覧は全国法人リストから確認できます。
上記のように、国土交通省または労働局より過去に処分を受けた会社をリストから調べることができます。
ただ、処分されたからといって、全ての企業がブラックというわけではありません。
ブラック企業リストをチェックするのも大切ですが、入ってはいけない運送会社を避けるには、その特徴も知らなければなりません。
入ってはいけない運送会社の特徴
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ブラック企業リストにのってる
ブラック企業リストにのっている運送会社は、働く環境が非常によくない可能性が高いです。
このリストには、過去に違反した内容がくわしく記載されてるので、かなり参考になりますよ。
このリストは、国や労働基準監督署が、違反を確認した企業を公表してるものなので、信頼性は◎。
ブラック企業リストにのってる会社は、基本的には避けた方が無難です。
一言アドバイス

現役プロドライバー:ヒロブ
リストにのっていても、過去の違反から時間が経っていれば、改善されてるケースもあります。
目安としては、直近1年以内に違反歴があるかをチェックしましょう。
また、「ブラック企業」という言葉には明確な定義がなく、個人の感じ方によっても違うときもあります。
そして、あくまでブラック企業リストは労働環境に関する懸念が指摘されてる企業です。
必ずしも全ての会社がブラック企業とは限りません。
リストだけでなく、口コミや評判などもあわせてチェックすることをおすすめします。
求人がずっと出ている
求人がずっと出ている運送会社は、労働環境に問題がある可能性があります。
良い会社であれば、長く働きやすい環境が整っているので、求人がずっと出てることはありません。
逆に、求人が途切れることなく出てる会社は、人が定着しない原因があると考えるべきです。
具体的には、以下のような理由が考えられます。
- 離職する人が多い
- 労働環境がきびしい
- 仕事内容がハード
このような状況を見逃さないためにも、求人に掲載されてる期間を確認することは大切です。
ずっと求人がでてるような会社には、安易に応募することはやめましょう。
給料が安すぎる
給料があまりにも低い会社は、経営状態が不安定な可能性があり、給料の遅延や未払いが発生するリスクがあります。
こうしたリスクを避けるには、働く業界の一般的な給料水準を知っとかなければなりません。
全日本トラック協会によると、2023年度の運送業界の給与平均は、月収44万4300円、年収533万円となっています。
ブラックな会社だと、そもそも労働に見合った賃金が支払われていないことが多いです。
給与平均を大きく下回ってるようなら、ブラックな可能性があるので注意してください。
一言アドバイス

現役プロドライバー:ヒロブ
給料が安くても、ブラックではない会社もあります。
ですが、給料が安すぎる会社に入ると、お金による制限から、余裕のない生活を送らなければならない危険性があります。
- 将来への制限:結婚、出産などがしにくい
- 行動の制限:旅行、外食などがてきない
- ストレスの制限:ストレス発散方法がせばまる
お金による制限は、精神的にも辛く、ストレスがたまるものです。
たとえ、ブラックな会社ではなくても、給料が低すぎるのなら選択肢から外すのがいいでしょう。
労働時間が長すぎる
労働基準法で1日の拘束時間は原則13時間以内(最大でも16時間)となっています。
なので、毎日のように13時間を超えて働かされる会社には入ってはいけません。
厚生労働省から出されてる労働時間のルールは下図のようになります。

そして、労働時間を違反してるかを見分けるために、次の点にも注目してください。。
労働時間が長すぎる会社に入ってしまうと、体を壊したり、事故のリスクが高まったりと、非常に危険です。
就職・転職するときは、労働時間が守れてるかどうかは、必ず確認してください。
休みがとれない
トラック運転手は、運転する集中力や荷物を運ぶ体力を使うので、しっかりと休みをとることが大切です。
ですが、ブラックな会社では、十分な休みを与えず、無理なスケジュールをくむことも多くあります。
このような運送会社では、体調面の不安はもちろん、プライベートの質が低くなります。
そうならないために、求人票や面接で確認したり、ネットの口コミなどを参考にして、確認することが大切です。
一言アドバイス

現役プロドライバー:ヒロブ
実際に現地のドライバーに話を聞くと、よりリアルな現状が見えてきます。
「月に何日休めますか?」と質問すれば「○日」と具体的な休日数を知ることができますよ。
ポイントは抽象的ではなく、具体的に質問することです。
質問のしかたによっては、世間から見れば全然休めてないのに、「休みは普通にある」と回答する人もいます。
この”普通”とは、あくまで従業員の方の普通であって、あなたの普通と同じとは限りません。
特にブラックな環境で長く働いてると、感覚がマヒして正常な判断ができない人もいるので注意しましょう。
事故の費用は全額自己負担
ブラック企業では、事故が起きたときの対応がずさんです。
一般的には事故にそなえて保険に入ってますが、損害を全て運転手に押し付けることもあります。
もちろん、過失によっては自己負担が発生することもありますが、全額負担は違法です。
こうした対応をしている会社は、働く人を大切にしない姿勢が明らかですよね。
求人票や面接では、事故時の責任範囲について曖昧にされていることが多いので、注意が必要です。
残業代が支払われない
残業代は法律で決められた労働時間を超えたときに、支払われるべき賃金です。
ですが、ブラック企業では残業代が支払われなかったり、遅れるケースもあります。
見分けるためのポイントは、以下を確認することが大切です。
残業代が支払われない運送会社で働くと、モチベはさがり、やる気もなくなってしまいますよね・・。
そうならないためにも、残業代の支払いの確認は必ずしてください。
働きやすい運送会社の特徴
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働きやすい職場の認証マークがある
働きやすい職場認定制度は、職場環境改善に取り組む事業者を「見える化」することを目的に創立された制度になります。
国に認められてる制度になるので、認証されてる会社は安心して働ける可能性が高いです。
令和5年度では、「一つ星」1520社、「二つ星」948社、「三つ星」34社となっていて、職場環境に応じて認証マークが与えられてます。
創立されたのが令和2年度なので、数は少なく、あまり認知はされてないのが現状です。
しかし、認証数は年々増加していて、制度の重要性は高っています。
今後は、より多くの事業者が認証を取得し、求職者が安心して働ける職場が増えることが期待されてます。
安全対策・健康管理が徹底されてる
トラック運転手は、常に危険と隣り合わせの仕事です。
だからこそ、働きやすい会社では従業員が安心して働けるように、安全と健康管理を徹底しています。
具体的には、以下のようのものが例として挙げられます。
安全管理 | 健康管理 |
---|---|
ドライブレコーダーが導入されてる | 定期的に健康診断が行われてる |
デジタルタコグラフが導入されてる | ストレスチェックが行われてる |
バックモニターが完備されてる | 産業医や保健師による専門家のサポート |
このように、働きやすい運送会社では、安全対策と健康管理がしっかりしていることが多いです。
安心して長く働くための、一つの目安にもなりますね。
労働時間・休日取得が徹底されてる
運送業は、長時間労働になりやすく、休みも取りづらい会社も多くあります。
だからこそ、働きやすい会社では、労働時間と休日取得をしっかり管理する取り組みを大切にしています。
具体的には、以下のようなものがありますよ。
労働時間の管理 | 休日取得の推進 |
---|---|
勤怠管理システムが導入されてる | 年間休日数を多く設定 |
労働時間の上限設定が守られてる | 特別休暇の導入(誕生日休暇、リフレッシュ休暇) |
スマフォで自分の労働時間の見える化 | 有給休暇の取得促進 |
労働時間や休日がしっかり管理されてると、プライベートの時間も確保できます。
このように働きやすい会社では、従業員のプライベートの時間が確保でき、充実感が高い傾向にあると言えます。
一言アドバイス

現役プロドライバー:ヒロブ
2024年労働基準法の改正により、運送業界は急速な改革が求められてます。
自分の会社だけでも、この数年で大きく変わりました。
- アルコールチェックの徹底
- 勤怠管理システムの導入、勤務時間の見える化
- 全車セミオート車、ドライブレコーダーの導入
- 有給取得の徹底、残業時間の削減
いろんなものが管理されて窮屈さは感じるものの、トータルで見ると働きやすさは格段に良くなりました。
もちろん、業界全体で見てしまうと、さまざまな事情から、まだ浸透してるとは言えません。
ですが、今後は風通しのいい会社が増えてくることは間違いないでしょう。
働きやすい運送会社に入るには
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転職サイトを比較する
転職サイトは求人数が多く、条件を絞って検索することもできるので、あなたに合った条件の会社が見つけやすいのが特徴です。
登録は無料で、サイトによって掲載されてる会社はちがうので、それぞれ比較してみるのがポイント。
いくつも登録するのは面倒かもしれませんが、最適な会社を探すためには近道になります。
転職サイトをうまく活用することで、あなたが働きやすい会社に入れる確率はグンとあがりますよ。
また、転職サイトではありませんが、働きやすい職場認定されてる会社をネットで検索することもできます。
以下のサイトで簡単に検索できるので、転職サイトとあわせて活用してくださいね。
評判や口コミを調べる
評判や口コミには、実際に働いた経験のある人のリアルな声を知ることができます。
会社のホームページにはのっていない情報を得ることもできるので、評判・口コミは必ずチェックしましょう。
とはいえ、口コミや評判はあくまで個人の意見になりますので、全てを鵜呑みにするのは危険です。
一つの意見として参考にしつつ、総合的に判断することが大切です。
面接時に質問する
求人だけではわからない情報を得るためにも、面接時に質問するのは大切です。
会社の働きやすさや安全性を見極めるためには、以下のような質問が効果的です。
とくに運送業界は、会社によって労働環境や待遇が大きくちがいます。
こうした質問を通じて、実態をよく見極めることが大切です。
入ってはいけない運送会社に入ってしまったときの対処法
転職
働く環境がつらい会社では、心身への負担も大きくなり、体を壊して働けなくなるケースもあります。
もし、ブラック企業に入社してしまったときは、転職を視野にいれて行動してください。
転職を検討するためには、いくつかのポイントを押さえておきましょう。
ただし、働きながらの転職活動ができる労働環境じゃないケースもありますよね。
ブラックな会社で働き続けると、働けない状態になってしまう可能性もあります。
そんなときは、すぐに退職して、過酷な労働環境から自分を守ることを優先してください。
労基に相談
労基は、働くひとの権利を守るための機関で、法律に基づいて働き方を改善するサポートをしています。
具体的なメリットとしては、以下のような点があります。

現役プロドライバー:ヒロブ
労基への相談は、以下の順番で進められます。
- 労基に連絡を取る:状況をヒアリングし、対応を検討してくれます
- 相談内容を具体的に伝える:労働時間や給料の未払い、環境の改善希望などを伝える
- 証拠や記録を準備する:タイムカード、給与明細、メール、指示書などの証拠を用意する
労基に相談すべき問題としては、以下のような問題があります。
- 長時間労働が続いている
- 残業代が払われていない
- 休みがとれない
- 会社が従業員に不当な指示を出している
このような問題があるときは、労基に相談することで状況改善の道が開けることが多いですよ。
ブラックな労働環境で働き続けても、なにもいいことはありません。
ブラックな運送会社に入ってしまったら、労働基準監督署(労基)に相談するのも選択の一つです。
退職(退職代行)
きつい労働環境を変えるための方法として、転職活動や労基に相談などがあります。
ですが、あなたが危険と感じる会社なら、すぐに退職してしまうのがベストです。
退職を決めたときには、以下を確認しておくとスムーズですよ。
とはいえ、退職の意思を伝えても、簡単には退職させてはくれない会社も多くあります。
退職が困難なときには、退職代行サービスにお願いするのも有効です。
このような人は退職代行を利用して、プロに任せるのがいいでしょう。
無料ではありませんが、あなたが対応する必要がないため、精神的な負担も軽くなりますよ。
入ってはいけない運送会社に関する質問
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求人と実際の内容が違うのは普通ですか?
運送業界に限った話ではありませんが、求人と実際の仕事内容が違うことはよくあります。
その理由としては、会社側は多くの人に応募してもらいたいので、仕事内容をやや良く見せる傾向があるからです。
わかりやすくするために、具体的な例をいくつか紹介しますね。
このように、求人の仕事内容と中身にズレがあるケースは珍しくありません。
必ずブラックとは言いきれませんが、求人と実際の仕事内容が違いすぎる会社には注意してください。
リスクを避けるためにも、面接のときに具体的な仕事内容を確認しときましょう。
運送会社は労働時間が長くて休みが少ないのは普通ですか?
長時間労働や休日の少なさが問題視されがちですが、すべての運送会社が当てはまるわけではありません。
働き方改革によって、働きやすい会社は増えてきてますし、労働時間や休みの取り方に柔軟性を持たせている会社も多くあります。
とはいえ、労働時間が長く、休みが少ない、いわゆるブラック企業として扱われる会社があるのも事実です。
両者の特徴は以下の表にまとめてみました。
労働時間が長くて休みが少ない会社 | 柔軟性がある働きやすい会社 |
---|---|
納期優先で無理なスケジュールが組まれてることが多い | 長時間労働を避けるように、シフトを組んでいる |
ムダが多く、一人あたりの労働時間が長くなりやすい | 計画された運行スケジュールなので、ムダな時間が少ない |
運送ルート効率化や待機時間が減らせてない | 休みや連休が取れる仕組みができてる |
以上のように、働きやすさを重視する会社と、労働環境が厳しい会社では、大きな違いがあります。
ブラック企業を避けるには、面接時に具体的に質問して、明確な答えをもらい、判断することが大切です。
まとめ:入ってはいけない運送会社は避けることができる
あなたの大切な時間、ブラックな会社で浪費してはもったいないですよね。
最悪なケースだと、働く意欲がなくなってしまい、今後の人生が大きく変わってしまう可能性もあります。
ですが、以下のポイントを意識すれば、ブラック企業を避ける確率はグンと上げることができます。
そして、働きやすい会社を選ぶには、無料でエントリーできる転職サイトの活用が有効です。
本記事を参考にして、働きやすいホワイト企業への入社を目指してくださいね。